こんにちは,「泳ぐ課長の水中戦略課」です。
短距離自由形でベストタイムを更新するためには,スタートでいかに勢いをつけられるかが大きな鍵になります。スタートで0.1秒の差が生まれれば,その差はレースの終盤まで大きく響きます。
私自身,マスターズに挑戦を再開してからスタートを強化することで,100m自由形の前半ラップを安定して28秒台で入れるようになり,レース展開が大きく変わりました。
今回は,短距離でタイムを縮めるために欠かせないスタートの基本と,実際に取り入れて効果を感じた飛び込み練習をまとめました。
スタートに課題を感じている方の参考になれば嬉しいです。
スタートがタイムに与える影響
短距離自由形ではスタートがレース全体の流れを決めると言っても過言ではありません。スタートの反応や姿勢で0.3秒以上タイムが変わることもあり,レースの勝敗を大きく左右します。
例えば50m自由形ならレース時間は30秒前後なので,0.3秒の差は1%近くにもなり,スタートだけでライバルに大きくリードを許したり,逆に差をつけることも可能です。
実際に私自身も,スタートでの勢いがうまく出せた時と出せなかった時で前半50mの入りが0.5秒以上変わった経験があり,改めてスタートの重要性を痛感しました。
良いスタートのポイント
短距離のスタートで差をつけるためには,次の3つを意識することが大切です。
姿勢|頭から一直線で入水する
飛び込む瞬間に背中が反ったり,腰が落ちると抵抗が大きくなりスピードが殺されます。スタートでは頭から腰・かかとまで一直線を意識し,水面に角度をつけて滑り込むように入水するのが理想です。
反応速度|素早いスタート動作
「Take your marks」後に集中を切らさず,音や動きを待つのではなく「次の瞬間に飛び出す」意識でいると,号砲に素早く反応できます。頭の中で「音と同時に動く」イメージを作るのも効果的です。
空中姿勢|無駄なく水に入る
空中で体が開いたりブレたりすると,入水時に大きな抵抗を受けてスピードが落ちます。両手をしっかり重ね,肩を締めて飛び込むことでコンパクトな姿勢を保ちましょう。
おすすめ飛び込み練習
ここからは,短距離スイマーにおすすめのスタート強化練習を3つ紹介します。練習環境や時間に合わせて取り入れてみてください。
スタート台を使った低姿勢練習
スタート台の上で構えた姿勢から,頭から一直線に飛び込む低い姿勢を意識してスタートを繰り返します。高さを出そうとしすぎると飛距離は伸びますが,入水までに時間がかかるため,低く素早い飛び込みを優先しましょう。
反応練習(合図スタート)
コーチや仲間がいる場合は,「Take your marks…」のあとに間を置いて合図してもらい,その合図に素早く反応する練習がおすすめです。レース本番のように不規則なタイミングで反応することで実践力が養えます。
一人で練習するときは,競泳用スタート練習アプリ「水泳タイマー|Take Your Mark」を活用するのがおすすめです。ランダムな合図音が鳴り,レースさながらのタイミングで反応練習ができます。
入水ストリームライン確認
飛び込み後にしっかりストリームラインを作り,体の抵抗を最小限にできているかを意識します。飛び込む距離よりも,入水後に流れに乗れるかを大切にしましょう。
実体験から学んだ改善ポイント
私自身,マスターズ復帰後に最初の大会ではスタートでタイミングを合わせられず,スタート後に勢いを失い前半のラップで出遅れてしまった経験がありました。
また復帰後は,意外とスタート台が高く感じ,飛び込むときに恐怖心から体がこわばってスタートが出遅れてしまったこともあります。現役時代には羽付きスタート台(バックプレート)が無かったため,最初はその使い方にも戸惑いました。
その経験を踏まえて,普段の練習からスタート台を使って恐怖心をなくす意識や,羽付きスタート台の踏み込み位置を何度も試しながら自分に合ったスタンスを見つけていきました。
飛び込む角度や姿勢を改善した結果,前半50mを安定して28秒台で入れるようになり,レース展開を自分のペースで作れるようになりました。
スタートは「レースの流れを作る最初のポイント」だと強く感じています。良い流れを作れるスタートが決まると,その後の泳ぎもリズムに乗りやすくなるため,ぜひ練習で意識してみてください。
まとめ
短距離自由形でタイムを縮めるためには,スタートで勢いをつけて前半を流れに乗せることが大切です。
スタート姿勢,反応速度,空中姿勢を意識し,練習を積むことで大きなタイム短縮が狙えます。特にマスターズスイマーにとっては,普段の限られた練習時間の中でもスタートを意識的に取り組むことで,レース展開を有利に進めるチャンスが広がります。
今回の記事が,スタートに不安を感じている方やタイム短縮を目指す方の参考になれば嬉しいです。
これからも「泳ぐ課長の水中戦略課」では,短距離自由形のタイムアップに役立つ情報を発信していきます!
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