こんにちは,「泳ぐ課長の水中戦略課」です。
短距離のレースでは「テンポ」や「キャッチ」に注目が集まりがちですが,実は“キックの質”が記録を左右する隠れた鍵になります。
特に後半,フォームが崩れかける局面で、脚が動き続けるかどうか——この差が0.5秒〜1秒の違いを生み出します。
この記事では,
- EN2強度でのキック練習による脚力とテンポ維持力の強化
- スタート・ターン後のドルフィンキック強化法
- キック力を支える体幹の役割
にフォーカスして、実戦で使える練習例とコツをご紹介します。
「最後まで脚が止まらない選手」になるためのヒントが詰まっています。
目次
キックは短距離の「後半の武器」
短距離種目ではストロークやテンポに目が行きがちですが,レース後半で差をつけるのは「キックの維持力」です。
✔️ 脚が沈む
✔️ テンポが落ちる
✔️ 押し切れず失速する
…この原因の多くはキックの持久力不足にあります。
EN2キックで“粘れる脚”を育てる
EN2強度(ややキツめの有酸素域)でのキック練習は,脚の持久力とテンポ維持力の両方を強化できます。
✔ おすすめメニュー:
- 50m×4〜6本(Descend)@1’10〜1’15
- 100m×2本(後半ビルドアップ)@2’10
- 25m×6本 Easy→Fast(テンポ変化に対応)
「最後の1本で脚がちぎれそう」になるのが理想です。疲労下でのテンポ維持感覚が,後半の粘りに直結します。
ドルフィンキックは“第5の泳法”として磨く
スタートやターン直後のドルフィンキックは,短距離種目において最も速度が出せる局面です。
特に25m・50m・100m自由形では,この「水中の伸び」がレース全体の印象を左右します。
✔ ドルフィン強化ポイント:
- 練習中でもターン後は必ず3〜5回ドルフィンを入れるクセをつける
- 25mのうち最初の10〜15mを水中で推進する意識
- 25m×4〜6本(ドルフィンonly)でテンポ強化
「浮き上がる場所の意識」も非常に大切です。
キックの質を支えるのは「体幹」
キック力を安定して水に伝えるには、体幹の安定性が不可欠です。体がグラついたり、腰が落ちてしまえばキックの効果は半減します。
練習では以下を意識:
- ストリームライン時に腹圧を保つ
- プルブイを挟んでのキックで体幹を意識
- Kick中に目線と姿勢を固定する意識
👉 詳しくは関連記事【肩甲骨と体幹で速くなる!柔軟性と筋力と高めるトレーニング10選】をご覧ください。
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まとめ
短距離スイマーにとって、キックは“フォームを崩さずに最後まで押し切る”ための最大の武器です。
- EN2で脚を追い込み
- ドルフィンで爆発力を高め
- 体幹で推進力を安定させる
この3点を意識することで、100m・200mの後半に差が出るキック力が身につきます。
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