こんにちは,「泳ぐ課長の水中戦略課」です。
EN2の練習で「泳ぎは楽だけどスピードが全然出ない」,「フォームが崩れてる気がする」と感じたことはありませんか?
私自身,30代後半でマスターズに復帰してからEN2で思ったようにスピードが出ずに,練習しているのに記録が伸びない時期がありました。
EN2とは?
EN2とは「Endurance Level 2」の略で,心拍数をしっかり上げて持久力を高める中強度の練習ゾーンです。
水泳練習ではEN1(楽なペース)→EN2(ややきついペース)→EN3(全力近く)と段階的に強度を上げていきます。
EN2はレース後半の粘りを作る重要な領域ですが,うまく泳げないと「楽なだけでスピードが上がらない」練習になりやすいゾーンでもあります。
EN2で目指す心拍数は?
EN2の練習では,最大心拍数(220−年齢)の75〜85%程度を目安にするのが一般的です。
例えば30代後半なら最大心拍は約180〜185なので,EN2では心拍数135〜155前後を維持できる強度が理想的です。
私の場合,セットの合間に頸動脈(首)で10秒間脈を数え,26くらいで安定して泳げているかを意識しています。
EN2がうまくいかなかった頃の私の状況
EN2練習を始めた頃の私は、100m×6 @1’45などのセットをよくやっていました。
泳ぎ切ることはできるものの,
- 心拍は上がっているのに泳ぎが乱れる
- ペースは1’15前後を行ったり来たりで安定しない
- 練習後に「今日はやり切った」という感覚が薄い
- 心拍の調整がうまくいかず,強度を上げすぎて後半にフォームが崩れたり,逆に強度が低く負荷が不足してしまう日もあった
この状態ではタイムも思うように伸びず,「なんで練習してるのに速くならないんだろう?」と悩んでいました。
改善した練習内容と考え方
EN2で思うようにスピードが出ず,心拍の調整もうまくいかなかった私は,練習内容を以下のように見直しました。
🏊♂️ ① 50m×6〜8本 @1’00
距離を短くし,フォームとテンポに集中。
50mなら1本あたりの負荷が適度で,心拍を上げながらも泳ぎが崩れにくく,EN2ゾーンでしっかり負荷をかけられるようになりました。
🏊♂️ ② 100m×4本 Descend(1’20→1’10)
100mを4本,徐々にペースを上げていく「Descend」を取り入れました。
普段のEN2ペースは1’15前後ですが,このDescendではあえてEN2の上限を超えて,最終的に1’10付近まで上げるように設定しました。
これにより、EN2の後半にEN3に近い強度を入れる練習ができ,レース後半で踏ん張るための力を養えたと感じています。
ただし,学生など長時間泳げる環境では,この負荷では物足りない場合もあると思います。
私のように時間に制約があるマスターズスイマーには,短時間でもしっかり負荷をかけられる方法として有効だと思います。
🏊♂️ ③ 練習前の25mテンポアップドリル×4本
メインセットの前に25mをテンポ高めで泳ぎ,体を起こすことで,メインセットにスムーズに入れるようにしました。
これにより,心拍を無理に急上昇させずに,練習の中で自然に理想的な心拍ゾーンに移行できるようになりました。
意識したポイントと得られた変化
EN2練習を見直してからは,次のことを特に意識しました。
- ペースやタイム以上に「テンポ」と「フォーム維持」を優先
- 前半は抑えめに入って後半でしっかり上げ,レース感覚を養う
- セット間の心拍数を確認し,上がりすぎたら次セットの強度を微調整
これにより,
- 100m自由形の後半でもフォームが崩れにくくなった
- EN2後にスプリントを入れても,姿勢を保ちながら泳げるようになった
- 練習全体を通して「目的意識」を持てるようになり,漫然と泳がなくなった
実戦では,レース後半で粘れるようになった感覚があり,目標の59秒台に少しずつ近づいていると感じています。
まとめ
EN2がうまくいかないと感じたら,ただ距離や本数をこなすよりも,「質」と「セットの設計」を見直すことが大切だと実感しました。
時間に限りがあるマスターズスイマーでも,短時間で集中して効果的なEN2練習を行うことは十分可能です。
今回の記事が,EN2に悩む方の参考になれば嬉しいです。
今後は「EN2とスプリントセットを組み合わせた練習」についてもご紹介する予定です。
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